https://novelgame.jp/games/show/10287
レビュー感想
夏休み、田舎に帰省中の主人公ソラと親友のヒナは、とある神社で雷に打たれる。
目を覚ますと、そこは現実の田舎とは似て非なる世界で、主人公は謎の人物から親友殺しを脅迫される。
ループと並行世界、そしてデスゲームの物語が幕を開ける。
結論から言えば、過去の同ジャンルを超えてくる奇抜なギミックこそないものの、不思議と消化不良感はなく最後まで新鮮な気持ちでプレイできた。
特に良かったのは、並行世界ものでよくある「2週目は一瞬で終わる」がなかったこと。
むしろ本作は2週目こそメイン……というか、物語の肝になってる。
具体的には2週目は種明かしパートなんだけど、久々に伏線回収の気持ち良さを味わった。
予想が当たってたところもあれば、外れてたところもあったけど、それらを全部ひっくるめて満喫。
フリーゲームらしさも少しだけあって、主人公の計算高い性格や、プレイヤーに執拗に銃を撃つことを迫る演出は、物語への没入感を高めてくれた。
プレイ時間もフリーゲームらしく短く軽いので、最後までだれなかった。
シナリオの省き方も上手で、説明しすぎでも淡白でもなく丁度良い塩梅。
一方でこのサイトで取り上げるゲームとしては珍しく、演出に難を感じた。
本作にはがっつり生成AI画像が使われてるため、特に絵への違和感は強い。
中でも親友の怒った表情の絵は、上手い下手以前に完全にエラーに感じた。
生成AI画像を利用するにしても、「どの絵を採用するか」というセンスは、やはり問われると思う。
他にも所々で合ってないSEが鳴ったり、タイトル画面や選択肢表示のウェイトが長かったりと、演出面で没入感が削がれる点がいくつかあった。
といっても、どれも修正しようと思えばすぐできるものばかりなので、アップデートに期待したい。
ちなみにタイトル画面のウェイト演出は『四ツ目神』でもやられてるけど、あれはちゃんとスキップできるようになってるし参考になるのでは。
ただそんな中にも光る演出はあって、BGMの使い方はとても良かった。
特に校庭のBGMは個人的にツボでした。
C 60点
コラム
他にもTGF2024参加作で記事にしてない良作を下記に挙げておきます。
『閉鎖性ホワイトアウト』『トランス→トラベル』『ル・ソレイユの殺人』『イモータル・ブレイブ』『バトルポーカー・ハイスクール』。