四ツ目神 レビュー感想

プレイ

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https://apps.apple.com/jp/app/id1548616385

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レビュー感想



四ツ目神は自身の評価と巷の評判が名作で一致した、初めての日本企業のノベルになった。

というのも、実はこれまでも巷で名作と謳われてる日本企業のノベルを結構な数プレイしてきたんだけど、心から面白いと思えるゲームにはどうしても出会えなかった。

だからこそ、このゲームが名作だと確信した時は、とてつもない衝撃だったな。


SEECがフリーホラーゲームを語る上で切っても切れないことは前々から知識としては知ってたけど、実際にプレイして納得した。

ダンガンロンパ以上に普遍的なプロットの型を持ちつつも、プロの底力による圧倒的な完成度を備えた本作は、誰もが「こんなホラーゲームを作りたい」と憧れる対象だろう。

リメイク前の公開が2016年なことも考えると、SEECがフリーホラーゲームに与えた影響は計り知れない






具体的に評するために類似作をいくつか挙げると、『墨染楼閣』『奇劇物語』『死月妖花』『血怨』などに通ずる空気感やテーマ性を本作から感じ取った。

具体的には主人公の真依を中心とした繊細な家族愛が壮絶な過去と共に描かれる

挙げた類似作と比較すると大分短編なので、全く同じ体験ができる訳ではないが、上記のゲームが好きな人には間違いなく刺さるだろう。

ちなみにその中でも特に作風が近いと感じたのは墨染楼閣。
それこそ四ツ目神にデスゲーム要素を加えたら、そのまま墨染楼閣が出来上がるんじゃないかと思えたほどだ。


その一方で『絆輝探偵事務所』や『マーダグラム』のような友情や若者らしさを描くことにも妥協がない

個人的には若者を若者らしく描くゲームを高く評価する傾向にあるが、本作はそれも非常に高水準。

日本企業のノベルにありがちな変に個性的なキャラは一人もいなくて、感情移入もとてもしやすかった。


四ツ目神は縦と横の両方の繋がりに特化した類稀なゲームだ






だけど本作の真髄は何と言ってもエンド12のラスト。

規約があるのでネタバレは避けるけど、ラストのあの一枚絵が四ツ目神を名作にした

具体的には、ぱっと表示された一枚絵が予想してたものとほんの少しだけ違ってたんだよね。
それで一気に涙腺が崩壊してしまった。

本作の影の主人公は間違いなく誠だ。


いずれにせよ「これがプロか……」と思わせる圧倒的な格の違いがあの絵にはあった。

プロと素人の違いは絵の上手さやボイスの豪華さなどではなく、ほんの数ミリ彼の背中を傾けたかどうかだけ。
それが理解できない限り、どれだけお金と時間を掛けたところで、同じフィールドに立つことは一生できない。

そう感じられるほど、あの絵は計算し尽くされていた。


しいて言えば、あまりにハイコンテクストすぎて多くの人には理解されないんじゃないかとも思うけど、当然それも計算の上。

メタ的に考えれば「彼らはゲーム需要の忌み子になってないか」という問題提起でもあるのかもしれない。






S 90点

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コラム

なんと当サイトの投稿が今回で100記事を達成しました。

記念すべき記事が四ツ目神のレビューになったのは全くの偶然ですが、感慨深いものがあります。