プレイ
https://freegame-mugen.jp/adventure/game_12380.html
実況
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_P_LqURxB4MasKGqrqZsD7DAJn7VjQ1O
レビュー感想
針九里村の伝説を調査するため、とある寒村へ学術調査に赴いた大学ゼミチーム。
そこで彼らが体験するのは、想像を絶する恐怖体験だった。
怖すぎるフリーホラーゲーム、ここに爆誕。
正直に書くと、この作者さんの過去作は結構プレイしてきたけど、これまではほとんど刺さらなかった。
だけど今作は、過去作とは一線を画する熱量と、それによって完成された作者の世界に引き込まれた。
気付けば針九里村に巣食う怪異と、それを利用するカルト集団の狂気に恐怖していた。
そしてそんな強大な敵にも屈せず、勇敢に立ち向かう主人公たちの快進撃に手に汗握った。
まるで一本のB級ホラー映画を見終えたような読後感を味わえる冬奇祭。
作者自らも自負してる通り、一作家の集大成と呼ぶに相応しいホラーゲームだった。
クリア後に知ったけど、実はこのゲームには原作があるらしい。
確かにこれまでの過去作と比べて、あまりにも感じが違いすぎるとは思ったので、逆に納得。
とはいえ複数の脚本がいるフリーゲームでここまで成功する事例はかなり珍しいように思う。
大抵の場合、個性がぶつかり合って話がいびつになったり、良さを打ち消し合って微妙な話になりがち。
だけど本作は2人の作家性が喧嘩をせず、むしろ相乗効果を生み、物語の質を高く押し上げてる。
具体的には登場人物が多く、それでいて配役が絶妙だった。
本作の登場人物は、割とはっきり敵味方に二分される。
そして両陣営の殺し合いこそが、この物語の肝となる。
端的に言えば、両陣営とも仲間が一人また一人と脱落していく展開が激アツ。
敵幹部を一体ずつ撃破していく爽快感と、味方が一人ずつ殺されていく悲壮感。
その波が交互に押し寄せてきて、プレイヤーの感情を強く起伏させる。
まさにB級ホラーのようなノンストップの連続だ。
グラフィックの面では、所々で挟まれる実写映像が物語に臨場感を与えてくれた。
本作をあえてB級ホラー映画に例えたのも、それが理由。
それとホラーでは軽視されがちなゲームシステムも良かった。
具体的には本作は懐古ホラーの作法に忠実な一方で、追い駆けや謎解きといったギミックは廃されてる。
実際、古き良きだけでなく悪しき文化まで継承する必要はないし、個人的にも撤廃はありがたかった。
最後に欠点も書くと、正直一部のギャグは不快でした。
それがなければ評価はもっと高かったかもしれません。
B 70点
コラム
せっかくなので今回は、個人的に好きな怖いフリーホラーゲームを一作挙げてみようと思う。
引っ張っても仕方ないので早速結論を言うと、個人的にはやはり『絆輝探偵事務所』一択。
怖いフリーホラーゲームをプレイしたい人にはおすすめです。