プレイ
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実況
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_P_LqURxB4NzLzp06WFhn65UmICg2VOC
レビュー感想
本作は並行世界もののミステリーノベル。
怪しい実験に参加した主人公は、そこで何度も死を繰り返すことになる。
そして引き継がれた記憶を頼りに、事件解決へと奔走していく。
物語としてだけでなく、ゲームとしても複雑にルート分岐してるのが特徴だ。
類似作を挙げると『極限脱出シリーズ』に近く、それを現代風に短く軽くしたようなゲームだった。
この物語の最大の売りは、やはり地下2000メートルの研究所で起こる怪事件というわくわく感。
クローズドサークル定番の「吊り橋が落とされる、土砂崩れや吹雪が発生する」などとは一線を画した異質さがあり、端的に言えば舞台設定が良かった。
更に周囲が水に囲まれていて、犯人の手により一部のエリアが水没させられる展開も、お約束ながら物語にスリルを与えてくれた。
並行世界ものとしては、一部のルートがギャグ調で、主人公がたびたび奇行に走るのが面白かった。
例えば突然他の参加者と殴り合いを始めたり、地上へ脱出しようと2000メートルもあるエレベーターの鉄骨をよじ登ったりする。
言うまでもなく、そういう場合は大体悲惨な結末を迎えて、特に降りてきたエレベーターに押し潰される結末には思わず苦笑いした。
ちなみに本作は中国産の『端木斐異聞録』の作者の新作なんだけど、今回の舞台は中国ではなく日本。
その上なんとボイスまで中国語ではなく日本語だ。
一方で舞台が日本である必然性はほぼ皆無で、正直これに関しては賛否あるかもしれない。
一応「日本のゲームをリスペクトした」というのが理由らしいけど、それならむしろ「日本のゲームを自国の文化にどうアレンジするか」に挑んでほしかった。
オリジナリティという意味でも、過去作のように舞台は中国の方が良かったんじゃないかと思う。
最後に並行世界に関して一言書くと、個人的にはもう一押しあってほしかった。
『墨染楼閣』や『死月妖花』をプレイしてしまうと、本番がないことに物足りなさを感じてしまう……。
C 65点
コラム
これはレビューとは直接関係ないので、あえてコラムで書きます。
実は「日本のゲームをリスペクトした」というのは紹介文やゲーム内には書かれてない。
その割に「リスペクトに期待すると肩透かし」といったレビューが多数見受けられた。
これは個人的な意見だけど、そういう舞台裏の情報を前提に否定的なレビューを書くのは、なんか違うんじゃないかと思いました。