プレイ
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レビュー感想
1章が公開された時は「完結まで何年かかるんだろう……」と思ってたら、まさかの1ヶ月足らずで2章公開。
内容も15分で読み終わるようなものではなく、各章それぞれ1時間以上ある。
グラフィックも立ち絵だけでなく、一部の背景なども自作。
それだけ手が込んでるにもかかわらず、このペースは制作スピードが相当早いんじゃないか。
まるで連載漫画を読んでるようなプレイ感覚だ。
そんなこんなで、あっという間に完結を迎えた。
制作期間は1年ちょっとで、まさに連載と呼ぶに相応しい勢いで、最後まで駆け抜けた作品だった。
本作はノベルで、内容は正統派のファンタジー。
少年漫画のような作風で、わくわくする世界観とアツいバトルが売りだ。
かと思えば所々でギャグやホラーなんかも交えてて、総じて質の高いエンタメを味わえる。
本作はあえて連載という手段が取られてるけど、その利点も存分に生かされてる。
具体的には回を重ねるごとにどんどん面白くなっていくし、物語にも厚みが出てくる。
続きが待ち遠しくなるこの感覚は、読み切りのゲームでは味わえない。
ちなみに各章は1話完結型で、どの章にもそれぞれテーマがあって面白かった。
1章では主人公のジークが幼馴染に裏切られるが、実はその幼馴染という記憶自体が所属する組織によって作られた記憶だったという事実が悲しい。
そして同じく命を狙われてるヒルダと協力関係を築き、そこから2人の大冒険が幕を開ける。
3章ではジークとヒルダの関係性がぐっと縮まり、この章で交わされる約束は大きな転換点となった。
一方で彼女のことが心配で主人公が覗きをするようになったりと、ギャルゲー色も強まってきた。
6章では今まで出てきた敵を次々と薙ぎ倒していく。
この章は最終章なだけあって、結末はトゥルーとバッド以外にも色々な終わり方があった。
予想に反して、どれも良い感じの終わり方だ。
ただ今回は1年間見守り続けてきた長編だけあって、やっぱり最良のエンドが一番に感じたな。
総評すると少年漫画が好きな人におすすめしたい、良作長編ノベルでした。
一方で残念だったのは敵キャラの性格。
色々な敵が出てくる割に、どのキャラもいかにもな悪役ばかりで、シナリオも勧善懲悪。
もう一つ惜しい点を挙げると、伏線が綺麗に回収された感はあまりなかった。
とはいえ、そこら辺が気にならなければ十分おすすめできる良作です。
評価B 75点
コラム
ちなみに本作はティラノ製だけどTGF不参加のゲームだ。
『墨染楼閣』といい、面白いゲームにTGF不参加が多いことは色々考えさせられます。