プレイ
https://www.freem.ne.jp/win/game/27970
実況
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_P_LqURxB4MT6en8z2qBp2fK8qwOOxBH
レビュー感想
霊感、念力、予知、千里眼……。
この世には、現代ではありえないとされている「裏技」が存在する。
そしてこれから始まるのは、そんな世界で交錯する、オカルティックな「裏技合戦」。
常識を無視したオカルトミステリーが幕を開ける。
今年一発目から凄いのがきた。
厳密には去年から始まった連載作だけど、これを1年足らずで完成させたことに、まず驚いた。
そんな今作は、裏束ゲーの集大成感があったね。
登場人物が今までになく多く、過去作に登場したキャラや地域も結構出てくる。
世界観の面でも色々な新事実が判明した。
中でも霊感などの異能の発現に、パラレルワールドの死が関わってる事実は激アツだった。
何より過去作の都市探究会でややご都合だった展開にも、これで説明が付けられることには感動があった。
10年前のゲームなので、それこそ10年がかりの伏線回収だ。
今作はこの作者にしてはコミカル寄りで万人向けの雰囲気だったが、ミステリーの質は相変わらず高い。
今回はオムニバス形式だったけど、どの話も抜かりなく面白かった。
こういうのって似たような展開の繰り返しになったりして単調になりがちなんだけど、そういうのを感じさせないところは実に巧みだ。
それでいてゲーム性も探索や選択肢だけでなく、独自のシステムがあるのが良かった。
厳密にはそこまで独自性の高いシステムでもないんだけど、専用のUI画面があるだけで、かなりそれっぽく見える。
ここら辺は素材に頼らずシステムを自作してきた200X経験者の底力を感じる。
以下若干のネタバレあり。
ネタバレ
後編が公開され、遂に真犯人が明らかになった。
個人的にはあえて大穴狙いで滝峰と予想してたけど、まあ見事に外れだった。
それでも予想のおかげで最終章のラストはノーミス(?)でクリアできたし、結果オーライではあったかな。
とはいえ○○のない人が真犯人とは思ってなかったので、候補にすら挙げてなかった人物が真犯人と知った時は、少し悔しかった。
だけどクリア後にこれまでの犯人を見返してみると、全員その共通点を持ってる。
恐らく作者も意図してそうしたんだろう。
その意味ではプレイ体験を通して、無自覚な差別意識を掘り起こされたような気持ちにもなったな。
総評としては本作オカルティックデッドは、超現実ミステリーゲームの集大成といえる傑作でした。
ミステリーに非現実の要素を絡めるのは、ゲームに限らず流行りのネタ。
むしろ昨今では流行りを経て定着した段階だ。
個人的にもそういうのは好みで、最近もタイムリープミステリーの『ミライカガミ』や、異能推理デスゲームの『ノアの審判』などを取り上げた。
だけどそういった完成度の高い作品は多々あっても、肝心の推理を徹底的に突き詰めた超現実ミステリーゲームは、やはりオカルティックデッドじゃないかと思う。
過去作の『ヒトミサキ』も傑作だったけど、今思えば非現実要素なしであの面白さだからね。
そう考えると、元からあった高いポテンシャルに、非現実要素の面白さがそのまま上乗せされたともいえるかもしれない。
記事の始めに裏束ゲーの集大成と書いたけど、面白さも歴代最高でした。
A 80点
コラム
なんと本作は有フリゲで見事入賞を果たした。
更にフリーゲームではないサイトでレビューまで書かれてる。
正直フリーゲームの入賞は無理だろうと内心思ってただけに驚きは大きかった。