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レビュー感想
ある日の夜、見ず知らずの4人の男女がエレベーター内に閉じ込められる。
そこで待ち受けるはパズルと推理とホラー、……そして疑心暗鬼。
たった一つの室内でそれらが密に入り乱れる、正統派脱出ノベル。
ちなみに今回は海外のゲームの記事です。
このゲームの売りは、エレベーター内というワンマップで全ての物語が完結してること。
分かりやすく言えば、舞台設定が非常にシンプル。
よく部屋に閉じ込められて、そこから出たらクリアというゲームはあるけど、それ以上にシンプルだった。
探索を開始した時は、そのシンプルさに驚いた……というか、途方に暮れたほどだ。
なぜって、調べられるものがほとんどないから。
脱出ゲームによくある場違いなオブジェクトとかもなくて、本当にごく普通の機能然としたエレベーター。
正直、最初はちゃんと作られてるのか疑うほどだった。
だけど終わってみれば第一印象を大きく上回るボリュームがあり、短編ながらもやり切った満足感があった。
まさに小粒の良作と呼ぶに相応しい脱出ノベルだった。
あとエンタメ寄りのゲームとしては意外だったんだけど、ホラーとしても結構怖かった。
具体的には人間の恐怖。
対人関係に失敗しても取り返しがつかず、気付いた時にはブレーキが効かない……。
そんな実社会にも点在する人間の負の側面が、立ち絵やBGMの演出も相まって上手く描かれてた。
ましてや本作の登場人物は皆初対面だし、その意味でもご都合やわざとらしさはほとんど感じなかった。
人間関係は第一印象で決まる……なんて話も、あながち間違いじゃない気さえしてくる。
C 60点
コラム
これは余談だけど、その昔あの週間ストーリーランドでも、エレベーター内で物語が完結する話があった。
特別そこまで尖った話じゃなかったけど、今でも妙に記憶に残ってる。
それだけエレベーターという舞台が異色を放ってたってことなんだろうな。