夜一の復讐譚 レビュー感想

プレイ

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レビュー感想

日常を壊された兄弟の復讐劇が描かれるアクションADV。

この手のジャンルとしては珍しくホラー要素はほぼなく、出てくる化け物もあくまで倒すべき敵。

どちらかというとサスペンス寄りで、あえていえば実況向けの非ホラーゲームといえるだろう。

ちなみに連載もので現在は未完(もうすぐ完結)です。






実を言うと、このゲームを取り上げるかどうか少し迷いました。
なぜなら完成度が高いとはいいがたいから。

シナリオは志願するだけで警察になれたり、化け物を見ても驚かなかったりと粗は多い。
本作のゲーム性の要であるアクション要素は、他の類似作と比べてとても簡易的。

……こういったマイナスの部分はあるんだけど、じゃあ面白くなかったかといえばそんなことはない。

むしろ不思議なことに下手に高評価を付けたゲームよりも遥かに没入できた






その理由を一言で表せば、完成度だけでは測れない魅力を感じたからだろう。

中でも主人公の存在は大きかったな。
少年漫画の主人公とも似て非なる彼に惹かれて、このまっすぐな復讐を最後まで見届けたくなった

これだけの悲劇を体験しながらも、変に拗らせたりせず、あくまで復讐は逮捕という真っ当さを持ち続けてるのは、フリーADVの主人公としては珍しい人物像だ。

シンクロや感情移入とは少し違うけど、間違いなく好感を持った。

やや新鮮味を感じるグラフィックも、彼のイメージとよくマッチしてて、それも良かった。






ちなみに類似作を挙げると『TwinEgg』に近いものを感じた。

あのゲームにもツッコミどころを勢いに変える熱量があったけど、本作もまさにそんな感じだ。


粗をなくすことは手段であって目的ではない。
本作はそんな初心を改めて考えさせてくれるゲームでした。

特にフリーゲームやインディゲームの場合は、粗があること自体も味に変わり得る。

最近は新作ゲームの記事が減りつつある中で、あえてこのゲームを取り上げたくなったのも、結果的にはそういった意味的なところもあったのかもしれません。






C 60点

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コラム

非ホラーADVでは他に『アンド・ソゥ・アー・ユー』が良かった。

全編通しての不穏な空気からのあのオチは本当に秀逸(あれがトゥルーなら)だった。

テーマは「持つ者が一つ妥協すれば、全て丸く収まる」と読みました。