玻璃の鏡像は嘘を吐く レビュー感想

プレイ

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レビュー感想

宇宙船のテロから逃れ、避難船に乗り合わせた見ず知らずの6人。

だが機器のエラーで6人全員の身体がシャッフルされてしまう。

そして皆の身体がシャッフルされた状態で、殺人事件が幕を開ける






紹介文にもある通り、ジャンルはミステリーではなくスリラー
殺人事件は起こるけど、話のメインはあくまで殺される恐怖や疑心暗鬼だ。

個人的にミステリーは好きだけど、本作では推理要素をばっさり切ったのが逆に良かった。

トリック自体が悪い訳でもないので、本格ミステリーに期待しない限り、がっかりはしないと思う。


対して入れ替わりのギミックは、もう少しミステリーに寄せてもいいと思った。

誰と入れ替わったかを明かさないのは面白かったんだけど、それが生かされてたとは言いがたい。
蓋を開けてみれば推理するまでもない、そのまんまの入れ替わりだったし、そもそも入れ替わってなくても話が成り立つ。

個人的には「偽りがいて実は……」みたいな、もう一波乱あってほしかった。
欲をいえば共犯者がもう一人いてもよかったかも。






といった感じで、本作は「入れ替わり+殺人事件」という意外な組み合わせ。
……ではあるんだけど、その割にあまり新鮮味は感じなかった。

むしろギミックの奇抜さとは裏腹に、実際には地に足の着いた一昔前のノベルという印象を受けた。
例えばこれが10年くらい前に公開されたと言われても、普通に信じそう。

なので入れ替わりに期待する人にはおすすめしづらいし、逆に苦手な人にこそおすすめしたい


ちなみにどういうところに一昔前感があったか。

説明が難しいんだけど、何というか刺さずに伝えようとしてくる感じがある。

キャラの感情は控えめだし、演出も地味なんだけど、多分意図してる。
時間の流れもゆっくりなんだけど、決して進展が遅い訳ではない。

「これはそういうものとしてプレイしてほしい」という意思を本作からは感じられた。






ちなみに読後感は人によってはかなりもやもやすると思う。

事件は解決しても、本質的な問題は何も解決しない。
事件を通して登場人物の心境が大きく変化することもない。

だからこそ「あの人が殺されない結末で本当に良かったのか?」と、読了後もしばらく考えさせられた

この結末の良し悪しは、プレイヤー自身で考えてみてほしい。






B 70点

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コラム

本作はSuika2ノベルゲーム大賞にエントリーしてるとのこと。

初開催のコンテストらしく、今後のフリーノベルにどういった影響を与えるのか注目したい。

ちなみに本作も何らかの賞には入るんじゃないかと思います。