プレイ
https://www.freem.ne.jp/brand/10098
Ewige Schlacht -Erste Geschichte-
本作は『チート戦争リレー』というコラボ作品を元に制作したとのこと。
リレーと名の付く通り、相当数の作者さんの創作キャラ達が一挙に共演する。
そして驚くことに、そのキャラというのは作者本人。
そう言うと人を選びそうだが、変な内輪ネタは一切ないし、予備知識も不要なので安心してほしい。
一方でこういうのでありがちなのが、他の作者さんに気を遣って無難な展開になったり、コラボキャラが平等に扱われること。
だがこの話ではルートによってはコラボキャラも普通に敵に殺されるし、キャラの能力にも大分差があって活躍度も違う。
そういった忖度なく制作したことで、その分ストーリーも面白くなってるように感じた。
物語は友情メインのバトルものだが、チート戦争というだけあってその規模はかなり壮大。
構成としてはゲーム単位で前後編に分かれてるが、前編は後編と比べて特殊な点が多い。
まず前編には明確な主人公が存在しない。
しいていえば各キャラの群像劇だ。
登場人物の人数も多くて、名前を覚えるのも結構大変だった。
ストーリーも全体的に素っ気なくて、例えるならデッサンのようなストーリーだ。
そんな感じで前半は色々と特殊だけど、不思議と取っ付きづらさは感じなかったし、むしろ純粋に少年漫画を読むような面白さがあった。
Ewige Schlacht -Letzte Geschichte-
色々と特殊だった前編と比べると、後編はストーリーらしいストーリーになったね。
主人公も各キャラの群像劇ではなく、明確にデジタリが主人公になった。
結果的に視点が絞られた分、ストーリーは後編の方が面白かった。
実はデジタリは前編ではほとんど見せ場のないキャラだったので、突然主人公に格上げされたことに始めは戸惑いがあった。
だけどそんな違和感も、物語の真相が明らかになっていくにつれてなくなっていく。
後編の始まり方も前編の続きからではなく、デジタリの過去編から始まり、仲間との出会いも描かれてるので、導線的にも親切で読みやすかった。
その後いくつかのバッドエンドを通りつつも、ようやく前編の終わりに時間軸が追い付くと、そこからは一気にクライマックス。
バトルは頭脳戦より友情パワーが強めだが、それでも終盤は手に汗握る戦いだった。
思わず最後の方は「誰も犠牲にならないで……」と祈りながら読み進めていた。
だが現実は甘くなく、このゲームに全員生還ルートは存在しない……。
特に切なかったのがシュルス犠牲エンド。
序盤では敵かと疑う場面も多かっただけに、和解後のこれは余計に辛かった。
ウィンドウカラーが赤から青に変わる演出も、思わず某名作フリーゲームのあれを思い出してしまった。
(本人は意識してないだろうけど)
読後感でいえば、むしろ主人公のデジタリ犠牲エンドの方が良かったな。
正直これをトゥルーにした方が良かったのでは?
B 70点