プレイ
https://store.steampowered.com/app/1332370/The_Shadow_You/
実況
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_P_LqURxB4OqgFMVC08o61xvmzLvMgLA
レビュー感想
本作は脱出編と日常編の2つの物語を交互に追っていくホラーゲーム。
よくある進行の途中で回想が入るものとは違い、がっつり日常パートがある。
割合でいえば、それこそほぼ半々。
他ではあまりない構成だけど、それが物語のギミックとしてしっかりと生かされてたのが良かった。
まず2つのパートがどう繋がってるかを考えさせるところから、プレイヤーを引き込んでいく。
例えば「こっちが過去でこっちが未来なんじゃないか」とか、大体の人がそんな風に想像や考察をしながらプレイしそうだ。
そしてもう一つ特徴的だったのは、本作は最後まで結末がどうなるか予想できなかったんだよね。
ゲームに限らず大体の話は、終盤になれば大筋の結末は読めるもの。
どうなるか分からないといっても、精々いくつかの可能性の中から1つが選ばれるような感じになる。
だけど本作の結末は、本当に最後の最後まで読めなかった。
それこそ、ラスト10分前になってようやく輪郭が見えてきた感じだった。
ストーリーは日常編では恋愛の話がメインなんだけど、正直キールのことは擁護できない気持ちが強かった。
境遇に対する気持ちは、むしろ共感できる人の方が多そうなんだけど、自業自得が勝った。
それでも最後には幸せになってほしいと、心のどこかで思いながらプレイしていた。
そう思ったのは、一歩間違えれば誰もが当事者になり得る生々しさを感じ取ったからなんだろうな。
あくまで本作は現実に則した狂気を描いてる。
終わってみればギャルゲーとしても良くできた話でした。
一方でこのゲーム、作りが雑な部分も結構あります。
例えば後半になって出てきた2人の恋人も、物語に絶対に必要な感じでもなかったし、登場人物の誰かの人形をナイフで切る謎解きにも特に深い意味はなかった。
てっきりいちゃつく2人を見たキールが発狂して凶行に走る暗示かと思ったけど、全くそんなことはなかった。
他にも翻訳ミスではなさそうな奇妙な台詞や、空中浮遊するバスの乗客達など、全体的に謎のセンスがあった。
ただそれが良くなかったかといえばそうでもなく、寧ろ割とツボで、とにかくセンスが独特だったとしかいいようがない感じでした。
B 70点