https://libriar.booth.pm/items/6796630
https://drive.google.com/drive/folders/1eE5q2VUyDeGa0Mf-7Ysw_QVK-5k_NG1G
レビュー感想
クトゥルフ神話を題材にした物語は、ことごとく悲惨な結末を迎える。
フリーゲームも同様で、クトゥルフ系のフリーホラーの結末は決まってバッド、良くてビターだ。
……ではそこに、圧倒的なヒーローが登場したら、物語の悲惨な結末は回避できるのか。
その検証を始めよう。
メデミステールのテーマは、物語の様式美をハックする思考実験と読んだ。
消費者は創作に変化や新しさを求めつつも、それ以上に様式美や懐古を求めてる。
対する作者も、先人の型を使い回して効率的に創作するようになっていく。
そしてフリーゲームやインディゲームは、まさに今その停滞が起き始めてる。
そんな時代だからこそ、このテーマは刺さったし、一緒になって考えていきたくなった。
同時に本作は、ある種のメタフィクションでもあると思った。
本作の世界の住民は、天使や悪魔といった架空の生物がメインだし、それ自体にも意味がありそう。
もしかしたら今後、彼らが自分たちのことを物語のキャラクターと認知する展開もあるかもしれない。
他にも並行世界を匂わせる描写なんかもあって、考察の余地が広がるし、わくわくする。
そんな高次なテーマを持つ本作だけど、話としては至ってシンプルなエンタメだった。
内容は治安維持組織に属するセラとアーシュをメインに、群像劇で繰り広げられるバトルノベル。
グラフィックも良くて、中でもキャラが可愛いのが良かった。
ちなみに私がキャラの可愛さを評価する時は、相当可愛いです。
何よりXに投稿されてるPVが激アツなので必見。
現時点では未完で、今のところChapter1までプレイできる。
未完なのでまだ評価は高くないものの、今後化けるかもしれないポテンシャルをふつふつと感じました。
連載形式なのか、Chapter2以降は一気に公開するのかは分からないけど、完結に期待したい。
一方で惜しかった点も挙げると、話のテンポが悪くて進展が遅く感じた。
具体的にはChapter1は1時間くらいの導入なんだけど、その終わり際にやっと本編に入るためのアイテムを手に入れた感じだった。
付け加えると、仕事の描写が淡々と続くのも読んでてしんどかった。
一から十まで書こうとせず、重要じゃない部分はばっさりカットした方が、読み手に親切になると思う。
逆に世界観や街の雰囲気を描写するために、休日パートがあるといいと思いました。
評価C 65点
コラム
実は最近ノベルに対して、どう向き合えばいいか分からなくなってきてます。
何というか、自分の役割ではないように感じてしまうし、他人の家に土足でづかづかと入ってないかと考えてしまう。
その意味でも本作から何かヒントを見出せたらなと思います。