プレイ
https://freegame-mugen.jp/adventure/game_14139.html
実況
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_P_LqURxB4O92UfBw_dJr7lisEPf8lZW
レビュー感想

大学生のソウヤは、ひょんなことから見知らぬ街、夜物市へと観光に訪れる。
この不思議な街で奇妙な人たちと交流し、かけがえのない思い出を作ろう。
少しのホラーとくだらないギャグが混在する、ノスタルジック観光ノベル。
個人制作らしいはっちゃけ具合と、個人制作らしからぬ作り込み。
深夜観光TASOGAREにはその双方が混在してた。
この空気感は市販の長編ノベルでは到底味わえないし、一方で巷のPCノベルとも一線を画してる。
あえて言えば他では代替できないセンスのギャグノベルだ。
以前『強キャラ学園』をプレイした時にもあった感覚だけど、本作をプレイしてると段々ハイになってくる。
この感じは恐らくシリアスなゲームや、システム重視のゲームでは味わえないだろう。
かと思えばギャグ一辺倒ではなく、ノスタルジックな街中で紡がれる人生謳歌ドラマも心地よかった。
そしてそれらが相まって、夜物市という街を実際に観光してる気分を味わえた。
ノベルとは思えないゲーム性の高さも、本作の面白さに一役買ってた。
具体的には脱出ゲームの要領で街中を探索して、謎解きやミニゲームを攻略していく。
特にミニゲームは種類豊富で、それを集めただけでも一つのゲームとして成立しそうだ。
そして終盤になると、遂にはターン制RPGまで始まる。
これがノベルにしては意外と本格的で、手に汗握る瞬間もあった。
欲をいえばもっと序盤から戦闘があってもよかったと、個人的には思う。
そんなゲーム性の高い本作だけど、それでいてシナリオが薄味になってないところが何より良かった。
よくある謎解き脱出スマホゲームとかだと、物語があるのは冒頭とラストだけなこともざらだけど、本作は最初から最後まで面白い。
一方で惜しい点も挙げると、一部のギャグが合わなかった。
ただこれは個人的に合わなかっただけで、ギャグが寒かったという訳でもない。
厳密に言うなら「素直に笑える人もいるんだろうな」という感じだ。
もう一つ挙げると、ラストは大団円とはいえない結末で賛否あるかも。
個人的にはあれでもよかったとは思えたけど、人によっては納得できない人もいそうだ。
評価B 75点
考察
実はこのゲームから『YIIK』のリスペクトをほんの少しだけ感じ取った。
駄目さはあれど憎めない主人公、どこかちぐはぐな絵面の戦闘、そしてラストの展開……。
これらはまさにあの何ともいえない感じを彷彿とさせられた。
もちろん作者が意識したかどうかは分からないし、そもそもプレイすらしてないかもしれないけど。
