https://www.freem.ne.jp/win/game/31611
レビュー感想
田舎町に館を構える商人と、その従者たち。
彼らの暮らしは裕福で華やかだった。
しかしある日、館内で殺人事件が発生する。
そしてそれを機に、館の建前はぼろぼろと瓦解していく……。
ただ推理するだけでは終わらない、待望の探索ホラーミステリー。
本作がリリースされたのは、今からちょうど一年前。
つまり今回は旧作レビューだ。
今になって記事にした理由は、プレイ後もずっと記憶に残り続け、時間と共に再評価されていったから。
具体的には自分で操作して探索できる推理ゲームは、やはり面白いと改めて思った。
短編でありながらも、その中に犯人当てあり、追い駆けありと、探索推理ゲームの魅力が詰まってる。
謎解きの難易度も、個人的には簡単すぎず難しすぎない良い塩梅に感じた。
ネタバレになるからあえて書かないけど、意表を突くギミックもあって、最初から最後まで楽しめた。
終わってみれば強烈なインパクトこそなかったものの、小粒の良作と呼ぶに相応しい探索ゲームだった。
キャラクターにも魅力があった。
基本はエンタメに寄りつつも、どのキャラにも人間味が垣間見える瞬間がある。
特に刺さったのは、主人公が妻の斬髪を強制するシーン。
主人公は髪を切る理由を「この国では長髪の人が少ないから」と客観的に説明してるんだけど、不思議とそれ以外の理由を憶測してしまった。
本作の主人公はなんというか……主人公らしくない。
館の主という属性もそうだけど、常に薄ら笑いを浮かべてる彼の振る舞いは、むしろ敵側の人間にすら見える。
かと思えば、中盤辺りで精神的な疾患があることがしれっと明かされて、何ともいえない気持ちになった。
だからこそあのギミックがきた時は、意外さよりも納得感の方が強かったな。
C 60点
コラム
PLiCyコンテスト受賞予測。
システム部門:『怪盗Meowブラザーズ』『アサンプション』。
シナリオ部門:『バトルポーカー・ハイスクール』『白豚令嬢育成計画』。
アクション部門:『Gravity World』。
カルチャー&アカデミー部門:『わざいか!種子島スゴロク』。
中でもおすすめは『怪盗Meowブラザーズ』。
このサイトとは無関係のゲームなので記事にはしないけど、シンプルながら異常な中毒性のある傑作でした。