プレイ
https://novelgame.jp/games/show/5488
実況
https://www.youtube.com/playlist?list=PLMkQo-m4xY8hGDzk6wwiRakgzgKbv2qDo
レビュー感想
1年半前に公開された体験版の説明文を読んだ時から完成を心待ちにしていたが、まさかここまでの大作を出されるとは思わなかった。
これは中々ない体験だが、実はプロローグを始めるまでの時点、つまり物語を読み始める前の段階で「これは大作だろうな」という予感があった。
つまりそこに至るまでのタイトル画面や、章選択画面、更にはボタンのSE……。
それらだけで「他とは違う」と思わされた。
そしてその予感は的中しました。(プレイ時間を見れば事前に分かるけど)
物語は自分のドッペルゲンガーを殺すことで願い事が叶うという奇妙な都市伝説から始まる。
だが実際に手に入ったのは願い事ではなく、インビジブルと呼ばれる異能力だった。
実はプレイしてる最中「これ、愛病世界では」と、ふと思いました。
結論からいうと設定はかなり似てて、ことあるごとに、例えば「○○の喪失まであるの!?」とか思いながらプレイした程ででした。
一方で物語の方向性は全く異なり、大冒険というよりは内面寄りの話が多め。
なので物語の見方が違う人からしたら「別に全然似てなかったけど」と思う人もいるでしょう。
いずれにせよ何に似てようとインビジブルの設定が面白いことに変わりはないし、何よりその摂理が徐々に解明されていく過程には高揚感があった。
一方で話のテンポにはやや難を感じました。
特に黒霧の異能との決着が遅すぎた(これだけで6章中3章も割いてる)ことで、終盤が切迫気味だった印象は否めなかった。
加えて本作は良作であると同時に他人には積極的にはおすすめしづらい作品でもありました。
何というか決して地味ではないんですが、プレイヤーを引き込む要素は少なかったように感じます。
各キャラの問題解決も割となあなあで終わる場合が多く、もやもやが残りました。
あえて一言でいえば、設定の派手さと演出の派手さは別物という点が見落とされてたように感じました。
とはいえこういう物語の型を好む人が一定数いるのも確かなので、一部はあえてかもしれません。
B 70点
コラム
本作は愛病世界に似てると書いたけど、実はこうして他作と比較することは作品と向き合う上でとても良いヒントになる。
なぜならその作品の文脈を読めるようになるからだ。
完全に当てることは難しくても、「ここでこうしたのは恐らくあれが要因だろう」とイメージを掴みやすくなるし、読みの精度も上がる。
一方で今回のように直接の要因ではないこともあり、その場合はもう一段深い文脈を読む必要があります。
ただそこまでいくと読み切るのはかなり難しいと思います。