プレイ
https://www.freem.ne.jp/brand/8686
実況
https://www.youtube.com/playlist?list=PLs2zyIv30CtcJbOhnJGwOa0ZksnQ6FUg5
https://www.youtube.com/playlist?list=PLs2zyIv30Cte-6tnw9cAJlBJonfD-Vj7k
夜底奇劇・星空物語
主人公の詩織はある日、裏世と呼ばれる異世界に拉致される。
異世界といっても、よくあるチート能力はなく、生身で放り出される。
内容もむしろ血生臭くシビアだ。
そんな世界に来た詩織と同級生の晴夫は、革命という名の殺し合いに巻き込まれていく。
結論からいえば凄まじい名作でした。
まず驚いたのは日本のゲームの中では異質さを放つ地味な作風。
それも歩行グラや敵グラは自作してて、グラフィックの質自体は高いのに、あえてそうしてる。
とはいえ地味なゲームは他になくもないし、当然地味ならいい訳でもない。
だが本作ではそれを文章が支えてて、一言で言えば一文一文が非常にパンチの強い文章だった。
文章の上手いフリゲ作者は何人かいるが、その中でも更に上位に入るんじゃないかと思える程だ。
ストーリーもとても良かった。
どんな願いでも叶えられるという血染織を巡る争いから話は始まっていくが、次第に家族の話に移っていって、それが革命の本質と繋がっていくところは本当に泣けた。
最終的には革命は無事果たされるが、まさかあれだけのことをされた宿敵を赦すとは思いもしなかった。
だけど不思議とその頃にはプレイヤーも、主人公達と同じく彼らを赦したいと思ってるんだよね。
決して大団円とはいえないが、それでも希望のある結末だった。
(S 95)
宵染奇劇・黄昏物語
前作『夜底奇劇・星空物語』から5年後。
革命は果たされ、民主的に変わりつつある裏世が今回の舞台。
未だ消えた血染織に執着し続けるワタベ家と、その思惑に巻き込まれる表世の豊介達。
そのせめぎ合いが再び幕を開ける。
互いを憎み殺し合うストーリーは前作同様で、今回も多くの人が命を落とす。
中でもヒナシタ家の血筋の話はとりわけ面白くて、まさに奇劇らしさが前面に出た話だった。
遺言の手紙に残されたヒナシタ家の真実はあまりにも壮絶な過去の因果……。
その顛末もまさしく奇劇を思わせる幕引きだった。
一方で前作と比べると、やや物足りなさを感じました。
シビアさが薄れたのはストーリー的に仕方ないとして、個々の要素が前作のようにぴたりとはまってない感じがどうしても気になってしまった。
何というか前作の完成された要素を変に動かしてしまった印象を受けました。
むしろ仲間のことを信頼し切れず疑心暗鬼になってた中盤くらいが一番面白かったです。
とはいえ物足りなかったのは、それほど前作が面白かった裏返し。
前作と比較しなければ、今作も十二分に面白いです。
それに今作は舞台が革命後の話だし、3部作の2作目なので束の間の平和なのかも。
(A 85)
S 95点