紅島からの脱出 レビュー感想

プレイ
https://novelgame.jp/games/show/6789

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レビュー感想



タイトルには脱出とあるが、本作のジャンルはミステリー。
紅島と呼ばれる謎の孤島に多種多様な招待客が集められる、クローズドサークルものの推理ゲームだ。

登場人物の人数からも察する通り、ストーリーは長編で事件は一筋縄では終わらない。


ホラーや異能といった非現実の設定もあるが、推理自体は公平に行われる。

犯人当てもあるけどそこまで難しくなく、もし犯人が分からなくても最悪全員を指名すれば詰む心配はない。






名前を書くとネタバレになるので伏せるけど、あるインディー推理ゲームのリスペクトが節々に感じられた。
それも少し似てるとかではなく、かなり忠実に。

実をいうとプレイ中にそれに気付いて、犯人や先の展開など、色々とメタ読みできてしまった。


勿論だから本家より一方的に劣るなんてことはない。

グラフィックこそほぼ素材なので、そこは太刀打ちできないが、ストーリーだけでいえば個人的にはこっちの方が面白かった。

何というか「自分ならこうする」という作者の主張を感じられたし、それに説得力があった。

ホラーの演出は正直かなり怖かったし、かと思えば異能の設定は熱くて、独自性はしっかり出せてる。






一方でこのゲーム、他のレビューにもある通り粗はかなり多いです。
なのでそういうのを気にする人にはおすすめしません。

ただ個人的にはそれも含めて味だと割り切れたので、整合性に問題があっても特に気にならなかった。

例えるなら『TwinEgg』のような、突っ込みどころは多いけど、それすら面白さに変えてる感じ。


むしろ本作で一番惜しかったところは粗の多さではなく、終盤の展開を書いてないこと。

想いのすれ違ったあの2人をどうやって和解に持っていくかとか、ここからが本当の見せ場になっていくはずなのに、まさか一切書かれてないとは……。

色々すっ飛ばして、いきなり「薬が完成した」と言われた時は、面白くなってきたと思ったらいきなり終わったと呆然としてしまった。

なのでもし可能なら加筆してほしいくらいです。






B 70点