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レビュー感想
100人の探偵に100人の犯罪者、そして100章のストーリー。
誰もが一度は妄想するようなゲームが、実際に登場してしまった。
その規格外さゆえにジャンルも表現しがたいが、あえていえば「人が死なないデスゲーム」。
そう表現した理由は2つあって、1つは探偵が負ければ間接的に誰かが死ぬことになるから。
そしてもう1つはデスゲームが好きなプレイヤーなら間違いなくはまるだろうからだ。
ちなみに探偵や犯罪者にはそれぞれ独自の能力があるので、そこもデスゲームのお約束通り。
冒頭にも書いた通り、こういった物語を考える人は一定数いるけど、結局これまで作られることはなかった。
その理由は単純で、実際にシナリオを書いてみるとそんなに面白くならないから。
実際本作もシナリオにはあまり期待してなくて、デスゲームのノリが楽しめればいいくらいの気持ちだった。
だからこそ、本作が一発ネタではなかったことには驚かされた。
むしろこれまでプレイしたデスゲームの中でも上位に入るシナリオだった。
更に「人が死なないデスゲーム」や「群像劇のデスゲーム」といった、今までありそうでなかった試みも多い。
散々プレイしてきたデスゲームだけど、意外にも本作の独自性の評価は高い。
それこそデスゲームの新たな型として後世に影響を与える可能性を感じるほどだった。
一方で本作は決して緻密なシナリオとはいいがたい。
良質なミステリーにある、至るところに張り巡らされた精巧な伏線もほぼ存在しない。
結局ゲームマスターに抵抗してた探偵たちに意味はあったのかとか、うやむやな点も多かった。
演出の完成度は高く、グラフィックも音楽も個人制作の域を超えた相当な作り込み。
そもそもあとがきを読むまで、これが全て個人制作だなんて思いもしなかった。
作業量だけで比較すれば、あのキミガシネに匹敵するほどの労力を感じた。
勿論実際に測った訳ではないので比較はできないが、それほど質と量が突き抜けてた。
グラフィックはちょい役のキャラにも全員に立ち絵が用意されてるし、背景には自作3Dが使われてる。
ちなみに絵柄は日本ではあまり見ない感じで、例えるなら以前プレイした『Tangle Tower』に近い。
音楽は膨大な数を全て自作してて、キャラやステージごとのテーマ曲まである。
効果音は特にゲームマスターの三拍子とノイズ音が、今でも不思議なくらい記憶に焼き付いてる。
システム面ではただ読むだけのゲームにはなってないのが良かった。
特にエクストラはノベルとしては珍しいくらい内容が充実してて、本編以外でもこの物語を楽しめる。
推理パートの結果も反映されるので、是非コンプを目指してほしい。
各キャラの紹介やインタビューなんかもあって、どんなプレイヤーでも必ず気に入るキャラがいそうだ。
ちなみに個人的に好きなキャラはアッシュダウンで、好きなステージは3と5でした。
A 80点
コラム
実をいうと今回は翻訳したゲームの記事です。
ただ色々あって公式翻訳ではなかったことになりました。