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レビュー感想
奇妙に入り組んだ街並みと、そこで共存する人間と怪異。
彼らは皆この不思議な街に違和感を抱くことなく、漂流している。
ノスタルジック漂うスローライフ3Dホラー。
ゲーム的には街の探索がメインなんだけど、立体的に入り組んだ路地裏は歩き回ってるだけでも面白かった。
長らく忘れてた感覚だったけど、久々に探索の面白さを体感できた。
これまでも街を探索する3Dホラーは『忘れないで、おとなになっても。』や『Summer Mission』などいくつかプレイしたけど、それらはあくまでシナリオメインで探索はおまけ程度。
だけど路地裏漂流記はそれらとは違い、がっつり街中を探索できる。
何なら本来想定してない場所も探索できてしまうんだけど、それすら面白かった。
(個人的には修正せずに、落下したら戻る処理だけ入れてほしい)
以前3Dホラーも2Dホラーと同じような進化を辿ると書いたけど、本作はまさに3Dホラーの進化を具現化したような良作だった。
そう感じた理由は、本作は3Dホラーでありながら恐怖一辺倒では終わらず、他にもゲームとして面白いところがいくつもあるからだ。
分かりやすい例を挙げると、本作の視点は一人称ではなく三人称で、主人公達にもスポットが当たってる。
そしてプレイヤーによっては彼女らに親近感を覚えるが、その感覚は間違いなく恐怖とは違った面白さだ。
路地裏漂流記には、そういった既存の3Dホラーにはなかった面白さがいくつも詰まってる。
……とはいえ、怖くなければいいとも思ってません。
本作の場合、現時点ではさすがに怖くなさすぎました。
例えば『忘れないで、おとなになっても。』は、直接的な脅かしを使わずに上手にエグ味を入れてたし、スローライフ2Dホラーの『人間裏街道』や『妖怪変幻』も、やはりちゃんと怖かった。
本作にもそういった要素を少し入れるだけで、一気に面白くなる可能性を秘めてるだけに、勿体なく感じる。
実際プロローグのノリが最後まで続く感じだと人気も出づらいと思います。
もちろん、その上で本人が望まないのなら入れなくても全く問題ありません。
B 70点