深夜1時の交換手 レビュー感想

プレイ

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レビュー感想



2018年に公開されたホラーノベル、『公衆電話』。
その身近なモチーフと単純明快なルールから人気が高まり、一世を風靡した。

そんな歴史的な良作を正統進化させたのが、今回取り上げる深夜1時の交換手。

小道具は公衆電話からスマホに変わったが、基本的にルールは同じ。
プレイヤーのやることは、誰かに電話を掛けるだけ
そして過去に電話を掛けて歴史改変できるのも本家と同じだ。






本作は『無慈悲な笑顔』などを制作した作者の新作なんだけど、結論としてはこの作者のゲームの中でも歴代最高の面白さだった。

本作はノベルでありつつもノベル特有の空気感はあまりなく、むしろ感覚としては探索ホラーに近い。
もう少し分かりやすく言うと、小説や漫画っぽくなりすぎてないノベルだ。
その意味でも、本作はフリーホラーが好きな人にこそおすすめしたい良作だった。

最近はドットに倒錯して埋もれる人が多い中で、本作は線画に原点回帰したのも良かったと思う。
この素朴な優しい感じを出すのはドットじゃ難しいだろうし、ドットだったら記事も書いてなかったかも。






内容についても書くと、本家にはない新ギミックが色々あったのが良かった。
例えば相手から通話がきたり、状況によっては通話しても着信拒否されたり、色々なパターンがある。
電話が繋がらない時のパターンも複数種類があって、そういう細かな差分が没入感をより高めてくれた。

中でも面白かったのが、今回のギミックは主人公に限らず誰でも使えるところ。
具体的には都市伝説さえ知ってれば誰でも使えて、更にその都市伝説も世に広まってる。
そのため通話相手の大半が「あぁ、深夜1時の交換手ね」みたいなノリで、要領よく話が進む。
これには少し笑ってしまった。

通話に回数制限がないのも本家との大きな違いだ。
だけど難易度が下がった訳ではなく、代わりに連絡先が膨大にある。
そのため序盤は情報が渋滞して脳がフローしたんだけど、個人的にはその感覚が心地よかった。
このゲームは「膨大な情報を処理して問題を解決すること」が主人公とプレイヤーの共通の目的だから、説明不足などの印象は抱かなかったんだと思う。

キャッチーさでは本家に劣るものの、推理が好きな人には本作の方がより好きになると思う。






B 70点

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コラム

当サイトでは『無慈悲な笑顔』などの人気作をあえて記事にしてない。
そしてその理由はもちろん、評価が低いからじゃない。

細かい理由は色々あるけど、最も分かりやすく言うなら「個人的な好み」だ。

ただし個人的な好みは、記事を書くかどうかには大きく入れてる一方で、評価には少ししか入れてません。
もっといえば、コンテストの審査には極力入れないようにしてます。