プレイ
https://www.freem.ne.jp/win/game/17205
レビュー感想
主人公の住む桜花町では、桜の舞う時期にだけ妖怪が現れる。
そんな不思議な7日間を家族や街の人達と過ごす、スローライフRPG。
実はこのゲーム、良作なのにほとんど話題に上がってない。
その理由は、どうやら公開当時の戦闘バランスが悪かったのが要因らしい。
だが今では大型アップデートが入り、それらの問題は全て解消済み。
ちなみに本作には妖怪が出てくるものの、ホラー要素は皆無です。
本作の売りは何といってもゲーム性。
ジャンルは時間経過系のリソース管理もので、同ジャンルには『妖怪変幻』や『ハイアーロア12日記』などがあるが、作り込みでいえば他の同ジャンルの良作を遥かに圧倒してる。
膨大なイベント量を日数、更には時間ごとに緻密に管理してて、よくあるずっと同じことしか話さないNPCもほぼいなかった。
更にやり込み要素も複雑に絡み合ってて、良い意味でコンプリートには遠く及ばなかった。
ちなみに公式サイトの攻略もかなり充実してます。
戦闘バランスはフリーのRPGの中でも優秀な部類に感じた。
具体的には個々の戦闘自体は程良い難易度なんだけど、全体としてはリソース管理が求められる。
なんと本作にはRPG定番の宿屋がなくて全回復する手段がない。
そこをどう上手くやり繰りしていくかが、戦闘面では何より面白かった。
グラフィックの完成度も高くて、マップや敵グラなども含めてほぼ全て自作。
戦闘ではキャラが動いて、なんと味方にはアニメーションまである。
更には音楽や一部の効果音まで自作。
そこにイベントの作り込みも加わって、全編通して妥協を感じさせない芸の細かさに仕上がってる。
それもあってツクール製のゲームをプレイしてるとは思えないプレイ体験だった。
これだけの作り込みで制作期間3年なら、むしろ短いとすら思ったほど。
一方で残念だったのはストーリー。
ファンタジーが和に置き換わってるものの基本は王道で、ありていに言えば薄味だった。
特にトゥルーでは、ノーマルで犠牲になった人達がなぜかみんな助かってるし、あれだけ重々しく引っ張ってた真実も「え、それだけ?」ってくらい淡白だった。
個人的にはトゥルーよりノーマルの方が記憶に残る終わり方だったな。
なのでストーリーに期待する人は、類似作の『妖怪変幻』の方がおすすめです。
B 70点