https://freegame-mugen.jp/adventure/game_12770.html
実況
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_P_LqURxB4MCUsWxWRDu5B23AsOsdMmj
https://www.youtube.com/@haoxgame/search?query=椿屋敷
レビュー感想
本作は昭和が舞台の推理ノベルなんだけど、そんな時代背景とは裏腹に非常にエンタメしてた。
ゲーム紹介文だけでも「死者からの手紙、謎の脅迫状、亡霊の目撃証言」と盛り沢山。
一方で本命のギミックはゲーム紹介文には書かれてない。
果たしてプレイヤーは椿屋敷の亡霊のトリックを見破れるか。
最近はひねりの効いたゲームばかり取り上げてたけど、今回は久々のド直球エンタメ。
最初に断っておくと、本作は本格推理としてはやや物足りないかもしれない。
ほとんどの人は気にならないと思うけど、中には気にする人もいそうだ。
一方で本作は昭和のディティールが非常に繊細で、文体も含め端々から昭和の臨場感が鮮明に伝わってきた。
ここまで時代背景に気を遣ったフリーゲームは珍しいし、それだけで好感触。
キャラの絵柄もどこか昭和感があり、例えるなら『パラノマサイト』に近い。
とはいえ過去作も同じ系統の絵柄なので、そこは単なる偶然かもしれない。
そして何より、本作にはフリーゲームらしさがこれでもかと詰め込まれてた。
もちろん、ホラー要素もちゃんと用意されてる。
一部は犯人のトリックで全然ホラーじゃなかったことも含め、本当に期待通りだ。
なんというか、ここまで期待通りだとフリーゲームの様式美にすら感じる。
同じ推理ノベルでも、『紅島からの脱出』が同人ゲームの様式美だとしたら、本作は間違いなくフリーゲームの様式美だ。
唯一フリーゲームらしさを感じなかった点は、このゲームがノベルなこと。
無論どんなシステムにするかは作者の自由だけど、個人的には自分で操作しながら推理したかった。
それにあのギミックは見下ろし視点でやった方が無理がなかったんじゃないか……とも思いました。
例えば「プレイヤーは照準マークを操作する」とかならいけたと思います。
難点も挙げると、事件が起こるまであった人間のどろどろとした描写が、事件発生を境に一気に鳴りを潜めたのが気になった。
特に蓉一朗が美毬に気がある設定は、どう着地するのかずっと気になりながらプレイしてたけど、結局何事もないまま終わってしまった。
せめてラストで独りでいる彼女に寄り添う……くらいはあってほしかったな。
B 70点
コラム
レビューからは脱線するのでコラムで書くけど、実はこのゲームをプレイしてある気付きがあった。
それは家系図をフリーゲームらしさの一要素として無意識に認識してたこと。
そしてその発見によって、『墨染楼閣』のあり方もよりクリアになった気がしてる。
実は今まで『墨染楼閣』はフリーゲームとの繋がりがどこか希薄に感じてた。
だからこそ、家系図というかたちで両者が結びついたことには心底驚いたし、同時に面白いと思った。