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レビュー感想
正直、人狼デスゲームの中では一番面白かったかもしれない。
理由は明快で、僅かではあるけどキミガシネと重なる感動を本作から感じ取ったからだ。
今時少年漫画でも言わないベタな台詞を言って、それを命懸けで実行する参加者達の姿には心を打たれた。
以前キミガシネのことを「道徳の教科書」と比喩したけど、本作のゲームマスターである狼森は倫理の教師。
その上でデスゲームのことを授業と言ってる。
その意味では、キミガシネ以上に真正面からテーマと向き合ってるのでは。
肝心のデスゲーム部分も、予想以上に面白かった。
人狼ってルールが完成されすぎてて、話を面白くするのが逆に難しいんだよね。
早い話が予想外の展開を書きづらい。
だけど本作には色々な独自ルールが盛り込まれてて、全然飽きなかった。
始めはルールが雑に感じてたんだけど、終わってみればデスゲームものの中でも相当洗練されたルールだと思うようになってたほどだ。
キャラで好きだったのはゲームマスターの狼森。
例のごとく参加者を煽ってくるんだけど、それがデスゲーム王道の煽りでツボだった。
ただ煽り方が単調で段々慣れてくる。
そう思ってたら主人公も同じ反応をしてて笑ってしまった。
ちなみに運営側とは裏腹に、参加者側は割と地味なキャラが多い。
というより、運営側があえてデスゲームのキャラを演じてるというのが正確かも。
デスゲームはそういうものっていうメタな感じがあって、それはそれで面白い。
クリア後にプレイできるEXシナリオは、どちらかというとリファレンスに近い。
内容はおまけ程度かと思いきや、「終盤まで引っ張るんだろうな」と思ってた謎がどんどん明かされていく。
読み進めてて痛快だったし、これ以上の謎と種明かしがまだあるのかと逆に続きが気になった。
もろ運営視点のシナリオまであって、それにも驚き。
デスゲームものでここまで敵側の事情を掘り下げるのは珍しいし、感情移入してしまいそうだ。
EXシナリオを読むか読まないかで、次章のプレイ体験は全く異ってくると思います。
B 75点
コラム
人狼では他に『貴方が狼カードデス!』をプレイ。
普通の人狼とは異なるルールで面白かった。
色々なゲームをプレイしてきたけど、アナログでやっても面白そうと思ったゲームは初めてかも。