プレイ
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EP1~3
1章が公開された時は「完結まで何年かかるんだろう……」と思ってたが、まさかの1ヶ月足らずでの2章公開。
内容も15分で読み終わるようなものではなく、各章それぞれ1時間以上ある。
グラフィックも立ち絵だけでなく、一部の背景なども自作。
それだけ手が込んでるにもかかわらず、このペースは制作スピードが相当早いんじゃないか。
内容が正統派のファンタジーなことも相まって、まるで連載中の少年漫画を読んでるようなプレイ感覚だ。
1章では主人公のジークが幼馴染に裏切られるが、実はその幼馴染という認識自体が所属する組織によって造られた記憶だったという事実が悲しい。
捨て駒となった主人公は一転して組織から命を狙われる身に……。
ひと悶着あり、同じく命を狙われてるヒルダと協力関係を築いたところで1章終了。
全体的に中々ハードな内容だった。
それだけに一転して2章ではコミカルな要素が増えたことには少し驚いた。
ヒルダがいきなりフードバトルに挑む展開なんかもある。
しかもその参加理由が食費の借金返済っていうね。
3章ではジークとヒルダの関係性がぐっと縮まった。
彼女のことが心配で主人公が覗きをするようになったりと、一気にギャルゲー色も強まってきた。
ここまでの感想としては、回を重ねるごとにどんどん面白くなってきてて、物語にも厚みが出てきてる。
それだけに、今後の展開に期待したい。
EP4~6
とうとう完結してしまった。
だが実際には制作期間は1年ちょっとで、以前も書いた通り、制作スピードはやはり相当早かった。
まさに連載という名に相応しい勢いのまま、最後まで駆け抜けた作品だった。
4章では今まで謎だったことが色々と明かされ、世界観の整理も進んだ。
だが何より良かったのは主人公が度々見る過去の夢のシーン。
脅かしはないが、ホラー演出が久々に怖かった。
夢を見ることで真実には近付けるが、一方で「それ以上知ってはいけない。知れば命はない」と忠告されてるような恐怖があり、かなり引き込まれた。
5章はアラシメインの話で、彼女が最速を目指す理由が明らかになるけど、その内容が予想以上に壮絶だった。
バトルではなんと巨大ロボで戦うことになる。
そして最終章である6章。
予想では全7章だと思ってたので、少し意外だった。
実際この章では駆け足気味に、今まで出てきた敵を次々と薙ぎ倒していく。
今回は完結作だけあって、結末はバッド以外にも色々な終わり方があった。
それも予想に反して、どれも良い感じの終わり方だ。
ただ今回は1年間見守り続けてきた長編だけあって、やっぱり最良のエンドが一番に感じたな。
総評すると少年漫画が好きな人におすすめしたい、良作長編ノベルでした。
一方で残念だったのは敵キャラの性格。
色々な敵が出てくる割に、どのキャラもいかにもな悪役ばかりで、シナリオも勧善懲悪。
もう一つ挙げると、伏線が綺麗に回収された感はあまりなかった。
とはいえ、そこら辺が気にならなければ十分おすすめできる良作です。
B 75点