プレイ
https://www.freem.ne.jp/brand/6649
レコメンド
https://kyua.org/meisakusen-2018/
レビュー感想
フリーADV史上、最も骨太のストーリー、そして最も難解な設定。
細胞神曲はそんな型破りなスケール感を放つ異色の傑作だった。
未だ完結の兆しは見えず、膨大な考察の余地が今もプレイヤーの気を引いている。
このような現象は商業ならともかく、フリーゲームではほとんど類を見ない。
冒頭ではフリーADVと書いたけど、本作はフリーホラーとしても面白い。
化け物に追い駆けられるのはもちろん、癖のあるキャラクターや、どろどろした人間の闇も描かれる。
一方でこのゲームがフリーホラーといえるのか、正直判断がつかない部分もある。
物語の終盤はどちらかというと現代ファンタジーっぽさがあったからね。
次回作の方向性次第で、細胞神曲の持つブランド性は大きく変わるんじゃないかと感じたな。
言うまでもなくホラーじゃないといけない決まりはないので、その辺がどうなるかにも注目したい。
賛否ある部分としては、内容がとにかく難解で、私ですら全ての設定を正確に理解できてません。
恐らく完全に理解できてるのは作者だけでは。
といっても複雑な設定は個人的にも好みだし、そういうのが好きな人は大勢いる。
だけどその上で問題に感じたのは、資料を閲覧できる場所とタイミングが不親切なこと。
本作では資料のほとんどが本棚にあるんだけど、それらは探索の道中にまばらに点在してる。
そのため後々「あの設定ってどうだったっけ」と思っても、読みたい資料のある場所が分からず探すのが苦痛。
更にストーリーを進めると二度と戻って読み返せなくなる。
この部分は賛否あるというより、明確に本作の改善点に感じた。
評価B 75点
コラム
これは個人的な提案なのでコラムに書くけど、本作の資料の問題に関しては、死月妖花のリファレンスのシステムを採用してほしいと思った。
実は本作の類似作は『死月妖花』だと思ってるんだけど、その上で最大の違いは情報の出し方だとも思ってる。
あのゲームも本作と同じくらい難解なのに、情報でつまずくことがほぼなかった。
この差は本当に大きいと思う。