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レビュー感想
死者の霊と会話する能力を持つエリート刑事の怜。
その能力を駆使して、巷を騒がせる少女連続殺人事件に挑む推理ホラーゲーム。
そこへ少しだけ並行世界要素も絡んできて、物語は予想外の結末を迎える。
このゲームは何というか、夢を見てるような感覚だった。
具体的には色々なことが何の脈略もなく起こったり、曖昧に話が進んだりする。
例えばチート能力を持つ天使のセラが出てくるんだけど、正直いなくても話が成り立ってしまう。
主人公の反応も最初はコスプレだと思ってたのに、いつの間にか天使だと受け入れてるところも、どこか夢っぽかった。
一方でそんな不思議系のノリがありつつも、要所要所ではとてもかっちりしてる。
そういったアンバランスさが逆に新鮮だったし、何よりその夢っぽさが本作最大の見所だと個人的には感じた。
設定で面白かったのは死者と会話することで直近の過去を改変できるところ。
ただこの設定も上記と同じようにかなりあやふや。
細かい粗が気になる人には向かないし、個人的にも普段ならさすがに気にするレベルだった。
例えば「霊は主人公にしか見えてないのに、なぜか店員と会話ができる」など、挙げていけばきりがない。
だけどこのゲームには、それでも問題ないと思わせる不思議なバランス感覚があった。
そんなこともあって、推理の方もそこまで練られてないだろうと油断してたら、見事に一本取られた。
終わってみれば意外にも、序盤にかなり伏線があったことに驚いてしまった。
特に冒頭のとある違和感を粗だと思わずに気に留めてたら、犯人を間違えることもなかったかもしれない。
ゲーム的にはミステリーなので推理要素があるんだけど、途中で唐突にホラー要素が入ってくる。
あまりに場違いだったので、怖いどころか逆にシュールだった。
このゲームは推理ゲームの皮を被ったシュール系なのかもしれない。
いずれにせよ、小粒ながら色々な要素と意外な真実が凝縮された良作でした。
C 60点