https://freegame-mugen.jp/adventure/game_13252.html
レビュー感想
このゲームはフリーホラーなのか、それともフリゲRPGなのか……。
それを見極めるところから始まった本作。
蓋を開けてみれば、その双方を良いとこ取りした、未曽有の意欲作だった。
それでもあえてジャンル付けするなら、ローグライクアクションホラー。
特に不思議なダンジョンシリーズが好きな人には是非おすすめしたい。
結論から書くと、久々にゲームとして熱中できたホラーゲームだった。
何が凄いって、10時間を超えるボリュームの中で、苦痛を感じる時間が一切なかった。
それこそレベル上げや、理不尽なゲームオーバーでさえ面白い。
できることならずっとやり続けたいと思えるほど、時間が解けていった。
ざっくりゲーム性を説明すると、本作はローグライクでありながら戦闘がない。
……というより敵を倒す手段が存在しない。
プレイヤーができることは、ホラーゲームお約束の逃げることだけ。
厳密には自身を強化したり逃げるのに役立つアイテムが落ちてて、その回収も重要になる。
しかしそれを加味しても複雑な操作や戦略性はなく、基本は逃げ一択。
ローグライクらしく、最後はプレイヤーの経験値こそがものを言う。
……これほどシンプルなゲーム性なのに、未だかつて誰も作ったことがなく、それでいて面白い。
2025年にもなって、まだそんな可能性が残ってたことに驚愕した。
本作の要はゲームシステムだけど、それ以外の部分も抜かりない。
特にプレイヤーが気付かないような、痒いところに手が届く配慮を随所に感じた。
中でも良かったのはリザルド画面の差分の豊富さ。
細かい部分だけど、毎回何が見れるか楽しみだった。
当初は期待してなかったストーリーも、終わってみれば期待以上。
家系図では表し切れない家族関係とその人間ドラマも、フリーゲーム的にはそうきたかという感じだった。
ホラーゲームとしての怖さも健在。
何だかんだで一番ゲームに没入した瞬間は、中ボスに追い駆けられてる時だった。
一方で惜しいと感じたところもあって、それは作風が古いこと。
例を挙げると、キャラやBGMの雰囲気はファンタジーだし、物語は勧善懲悪。
合う合わないはあるにせよ、少なくとも正統派のフリーホラーを求める人にはおすすめしづらい。
とはいえフリゲRPGの層にもプレイしてもらう目的でそうしたのなら、やむを得ないとも思う。
A 80点
コラム
このゲーム、まだまだ面白くする余地が多分にあると思ってる。
だからこそあえて書くけど、可能なら有料版をプレイしてみたい。
またはマグナオペラ制作キットが販売されて、それで作られたリスペクト作品をプレイしてみたい。
……そんな風に思ったので、よければお願いします。