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レビュー感想
灯火台学園を地震が襲い、気付けば海の上を漂流していた。
取り残された生徒たちは救助を待つが、そこで不可解な殺人事件が発生する。
だが学園には、死者を群数にして埋葬するという教えがあった。
今回は運営不在の、混迷極める自治系デスゲーム。
現在は1章までプレイできる。
まず特筆すべきは、ADVらしからぬ骨太な独自設定にわくわくした。
本作は近未来が舞台なんだけど、月が割れたりとか実際の歴史とは異なる出来事が様々起こる。
そして最終的には海に入ると死ぬ世界になるという、本作の主要な世界観へと繋がっていく。
とはいえこの世界規模の設定が、今回の学園規模の物語に生かし切れるかは未知数ではある。
他に良かった点としては、UIが個人制作とは思えないくらい良くできてた。
演出も整ってて、デスゲームが好きな人も納得の文句なしの出来だ。
そして肝心のデスゲームはといえば、今回は推理を間違えても特にペナルティがない。
同時に今回最も重要視されるのは、犯人探しではなく生贄を選ぶことというのが新鮮だった。
つまり今回のデスゲームは実質「推理+多数決」で、個人的にも一番好みのルールだ。
実際1章の事件も全容解明には至らないまま、多数決で吊ることになった。
そして死者を群数にすれば他は何でもありなので、今後はもっと悲惨なことが起こるかもしれない。
一方で微妙に感じた点としては、登場人物に性格の悪い人が多いのが、かなりきつかった。
それでも事件が解決すればこの気持ちも少しは和らぐと思ってたんだけど、まさかそれもないとは。
正直ここまで鬱要素の強いデスゲームも中々ないと思う。
この物語に一矢報いるようなカタルシスを味わえる瞬間は、本当に訪れるんだろうか。
評価B 70点
コラム
前回の記事で2025年はフリーホラーの勢いが凄いと書いたけど、デスゲームの勢いも凄い。
そんな一度におかわりいらないと思えるくらい、新作や新章が次々と出てくる。
2025年は本当にちょっと異常な年だ。
ここまでくるとかえって後が恐いくらい。
とはいえ今はこの幸せを素直に味わい尽くしたい。