プレイ
https://novelgame.jp/games/show/9496
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実況
https://www.youtube.com/@haoxgame/search?query=強キャラ
レビュー感想
本作はバカゲーでありつつも、その熱量は到底ネタ枠には収まらない。
それほどまでに強キャラ学園の笑いは深く追求されていた。
終わってみればこのゲーム、『墨染楼閣』以来の高評価ノベルになってしまった。
ノリは小学生向けギャグ漫画なんだけど、とにかく笑えた。
ある意味最も難しいジャンルにもかかわらず、ここまで笑えると、もうプロ顔負け。
それでいて後半からのシリアス展開は、紹介文にもある通り、まさに情緒のジェットコースター。
特に評価が高かったのは演出と音楽。
実はこのゲームのプレイ中、ノベルをプレイしてる感覚があまりなかった。
もっと正直に書くと、ノベルや同人に感じてた不満が綺麗に取り除かれてる感覚があった。
例を挙げると、このゲームでは立ち絵が見切れてる。
もちろんギャグで立ち絵が見切れるノベルは、これまでも数多くプレイしてきた。
だけどギャグ以外の意図でも立ち絵が見切れてるノベルに出会ったのは、恐らく本作が初めて。
他にも所々で映像やボイスパートが挟まれるんだけど、それもノベルをプレイしてる感覚を薄めてくれた。
このゲームにはそういった、既存のノベルにはない演出が多々あった。
ただ後半からはそういった演出は鳴りを潜めて、普通のノベルっぽくなるので、そこは残念。
ボイスも含めた音楽の評価は、久々の満点を叩き出した。
BGMはオリジナルではないけど、いつも聴いてる曲はあまりなくて、単純に選曲が良い。
中でも質の高いボーカル曲が豊富で、そのボーカル曲をBGMとして使用してるのが快感だった。
本作最大の売りでもあるボイスも良かった。
普段はボイスはいらないと思うんだけど、この作者のゲームのボイスは不思議と気にならない。
ボイスが良いと思えるゲームは本当に稀だ。
本作以外では「絆輝探偵事務所、ラハシリーズ、YIIK」の作者のゲームくらいしか思い浮かばない。
一方の物語はギャグ補正でこれでもかと飾り付けしてるけど、シナリオ自体は意外と大人しめ。
どちらかというとテクニックを次々と投入してくる感じの話が多かった。
恋ルートの一部には刺さるところがあったけど、シナリオに鋭さを感じたのはそこくらい。
終わってみれば演出に力の入ってる共通ルートが一番面白かったな。
あえて順位付けするなら「共通、此処、恋」の順でおすすめ。
プレイ体験としては、昔やった『Resurrect Moon』という乙女ゲーに近いものがあった。
何だかんだで日常ものや恋愛ものとしては一番面白かったかもしれない。
バカゲーとしては不動のトップである『YIIK』に次ぐ面白さだった。
本作は有料化も考えてるらしいけど、いっそPLiCy経由でコンシューマー化するのもありだと思います。
一つだけ難点を挙げると、最後のルートに行くために3ループする必要があるのはかなり面倒だった。
正直2ループ目は没にするか簡略化した方がいいのでは。
A 85点
コラム
自作ゲームフェスの審査結果が発表された。
印象的だったのは人気作を象徴するオブザイヤーの受賞作が軒並み落ちたこと。
なんとほとんどが敢闘賞にすら入ってない。
恐らく意図して「人気作はもういいだろう」と判断されたんじゃないかと思う。
今回も意外なゲームが次々と受賞してて、見逃しがまだこんなにあったことに驚かされる。
気になる受賞作もいくつかあり、プレイするのが今から楽しみだ。