プレイ
https://www.freem.ne.jp/win/game/27322
魔女と機械人形
本作は主人公のアンドロイドが、生みの親である魔法使いの博士と共に生活する日常もの。
だが主人公の造られた本当の理由は、とある敵陣営を殲滅させるため。
そして死んだ息子を復活させるためだった。
このゲーム、DLページの紹介文にはプレイヤーをそそる説明が一切書かれてない。
それを理由にプレイを見送るのは勿体ないので、まずは公式サイトを見ることをおすすめする。
そして公式サイトを見て、初めて「面白そう」と感じる人は多いと思う。
このサイトを見てる人なら、尚更そう感じるだろう。
本作は全3部作で構成される長編ADVの1作目。
導入と考えると、少しづつ風呂敷を広げてて、面白くなっていく予感を残した引きだったのが良かった。
一方で本作を単体で見ると、実はキャラへの感情移入はほとんどできなかった。
博士は死んだ息子のためならどんな冷酷なことでもできると言ってる割に、主人公のことをかなり大切にしてるのには違和感があった。
逆に主人公はラストで「博士が望むなら喜んで戦う」くらい言ってほしかったな。
最後まで変に抵抗を続ける姿には、かえって好感が下がってしまった。
だけどそれらは作者の意図したことなんだろうな、とも思った。
つまり本作は徹底して愛のなさ、あるいは表面上の愛を描いてると読んだ。
例えば2人で星空を眺める場面は、本来なら互いの愛を確かめ合う感動的なシーンのはずが、一切感動しないどころか気味の悪さすら感じた。
しかも演出的には不穏さを表に出さず、あくまで感動的なシーンを装ってるところが、それに拍車をかけてる。
例えば主人とAIとの片思いを描いた話なら、『ドールと紅の破壊者』など他にも色々ある。
だけど「主人とAIの双方が冷めてるのに、表面上は両想いを装い続けてる」なんて話は他に中々ないのでは。
C 65点
コラム
2022年も様々な良作が公開されたが、マイベストはやはり『墨染楼閣』。
同時に発掘と発信の重要さを実感できたゲームでもあった。
公開当初はほぼ誰もプレイしてなかったのが、じわじわと広まりつつあるのには感慨深いものがあります。