プレイ
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レビュー感想
人間の住む此岸と妖の住む彼岸を舞台に、二つの組織が対立するサイバーパンクADV。
少し前にレビューした『夜一の復讐譚』のように、倒すべき敵と戦う非ホラーゲームだ。
とはいえ連載ものなので、今後怖くなっていく可能性もある。
現時点ではまだ手放しで高評価はできないけど、第一章にして面白くなりそうな芽は確かに感じた。
祟り神の記憶の改竄に対抗するカードが、主人公のサイコメトリーという設定も、作者の手腕次第でいくらでも面白くなりそうだ。
サイバーパンクも今のところほぼないけど、これも面白くなり得る要素なので登場が待ち遠しい。
刺さるほどではないけど、主人公に感情移入しやすかったのも良かった。
さらわれた妹を救うために自分の弱さと向き合う描写はベタながら丁寧だし、かと思えば肝が据わってて行動力があるところも好感が持てる。
だけど相手の能力的に、再会した妹とは敵として対峙することになる気がするな。
短所としてはゲーム性には物足りなさがあった。
現時点では探索してアイテムを見付けるだけで、ゲームオーバーもない。
巨悪に立ち向かってるんだから、プレイヤーとしてはもっと手に汗握りたかった。
せめてステルスや追い駆けくらいは実装してほしいし、欲をいえば物語の要であるサイコメトリーにこそゲーム性を組み込んでほしい。
例を挙げると『ヒトミサキ』の回想構築は今でも記憶に残ってる。
ラストの四天王登場はアツかったけど、それ以上にこのゲームが骨太の長編になるんじゃないかと予感させてくれた。
紹介文には「此岸と彼岸を舞台に、二つの組織が世界をかけて戦う」とあるので、今後は人間の住む世界も物語に深く関わってきそうだ。
というより、個人的にそうなってほしいです。
C 60点
コラム
2023年も様々な良作が世に送り出された一方で、今年は突き抜けたゲームには出会えなかった。
それでも今年のマイベストをあえて挙げるなら『人間裏街道』になると思います。
もちろん、あと半月で何かが起こる可能性もゼロではありません。