https://rip2.booth.pm/items/4907854
http://xfs.jp/6w6NxT
実況
https://www.youtube.com/@haoxgame/search?query=マーダグラム
https://kyua.org/meisakusen-2018/
レビュー感想
本作は2018年に公開された、アツマールを代表するデスゲームものの人気作。
個人的な評価としても、デスゲームものとしては『キミガシネ』に次ぐ傑作だった。
しかし本作は未完のままアツマールと共に表舞台から消えてしまった。
……そんなマーダグラムが、6年の歳月を得た2024年、アップデートして帰ってきた。
ちなみに今回は犯人の考察などのネタバレはありません。
特筆すべき評価ポイントは、やはり演出。
ゲームデザインに妥協がなく、中でもオープニングムービーは本当にカッコ良かった。
本作は演出の優れたゲームの中でも頭一つ抜けてる。
それもただ演出が良いのではなく、作者のやりたいことが凝縮されてる。
逆を言えば、作者のやりたくない部分は削られてる。
デスゲームといえば派手さやエンタメ性に加えて、奇抜なキャラが出てくるのも定番。
だけど本作には職業上の個性がある人たちはいても、奇抜なキャラは一切出てこない。
むしろ本作の登場人物たちには、どこか裏路地ような大人しさがあり、不思議な安心感があった。
この手のゲームとしては珍しく、地の文が多いのも特徴で、それもゲームに対する信頼を高めてくれた。
ちなみに『キミガシネ』も演出が卓越してるけど、作者が漫画家出身なのもあって漫画の文法が色濃い。
対する本作は、作者の本業がアーティスト。
使われてる文法も全く違うのか、他にありそうで意外とない新鮮なプレイ感覚が確かにあった。
そして何より、登場人物たちの等身大の心の揺れ動きが本当に繊細だった。
あくまで誇張はせず、彼らの抱える迷いや恐怖、そして若さを細やかに描写してる。
つまりマーダグラムは、『絆輝探偵事務所』などのように、若者をちゃんと若者として描いてる。
だからこそ彼ら彼女らに自然と共感できたし、主人公への感情移入もとてもしやすかった。
要所要所で見せ場もあり、それらもひとつひとつが心に刺さる。
彼女が「いいですよ」と言った瞬間は、演出的には地味だけど、明確にそこが1章最大の山場だった。
「全員の気持ちをきちんと含めて答えを出すことが、悪いことだとは思えない」という一文も刺さった。
つまり推理ゲームの探偵主人公がロジカルを否定したことが、とてつもない衝撃だった。
だけど冷静に考えると確かにそうだなぁと思う。
著名なゲームから生まれたロンパという言葉も、令和となった今では社会問題の言葉に変わった。
その意味でマーダグラムは令和の負の側面を批判してるように感じた。
同時にフリーゲーム全盛期でもあるあの時代を大切にしてるように感じたな。
A 80点
コラム
個人的にマーダグラムは、完結してほしいゲーム第2位です。
……では完結してほしいゲーム第1位は何か。
引っ張っても仕方ないので答えを書くと、『貴方の価値を教えてくれ』です。
マーダグラムが好きなプレイヤーなら、きっとこのゲームも好きになるはず。