プレイ
https://maduzu.itch.io/rakuhaka
レビュー感想
これまでZENOなどのADVで人気を博してきた作者が、今回はなんと長編RPGを世に出した。
内容は王道とはまるでかけ離れた、しかしフリーゲームではお馴染みのメルヘンRPG。
ちなみに今回は旧作レビューです。
これは好みの問題だけど、実を言うとメルヘン系は個人的にはあまりヒットしないジャンルだ。
だけどこのゲームはその前例を覆してヒット、それも大当たりしたゲームだった。
それこそ指折りの名作RPGといえるくらい、このゲームを好きになった。
具体的には演出、特に選曲が突出して良かった。
奇抜な色彩の中で流れるダンスな曲には自然と気分が上がっていった。
特に戦闘曲のインパクトはどれも凄まじい。
メルヘン系は確かに見た目が奇麗な作品が多いけど、それと演出の良し悪しは個人的には別だと思ってる。
どんなに絵が上手くても、選曲のセンスが良くても、プレイヤーがそれにノれなければ意味がない。
ひるがえって本作にはその心配は不要で、端的に言えば刺さるゲームだった。
ストーリーとしては4つの不思議な世界を冒険するんだけど、どの世界も個性的。
よくあるメルヘンとは違って、ビルの建ち並ぶ現代的な世界なんかもある。
その意味では純粋に世界観にもわくわくした。
例えば普段のRPGではありえない「次はどんな敵が出てくるんだろう」っていう楽しみもあった。
だけどそんな個性的な世界での冒険が、最後には本作のテーマである兄弟愛に回収されていくところこそ、本作最大の見せ場。
このテーマに関する個人的な所感としては、良い意味でこの作者のゲームの中では道徳的な価値観が強かった。
個人的にそういう話の方が好みなこともあって、評価が上がったのかもしれません。
しいて短所を挙げると、メルヘンRPGにありがちな戦闘が大味という欠点は本作にも健在。
とはいえ戦闘を目当てにプレイするゲームではないし、テンポは良いので、そこまで気になりません。
ちなみに本作にはEXダンジョンも存在する。
是非EXボス撃破、そして真のエンディングを目指してプレイしてほしい。
S 90点