グリッチ・キャスケット レビュー感想

プレイ
https://www.freem.ne.jp/win/game/26463

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レビュー感想



本作の舞台は徹底された管理社会、それも人間の精神が管理されてる世界。
そして主人公は管理する側の立場だ。

プレイヤーはそんな主人公を通して管理社会の体験ができる。






これもう日本版デトロイトでしょ……とクリア後思ってしまった。

何よりテーマの扱いやそこから導かれる結論が、とても日本的だった。

そもそも管理社会に焦点を当てた日本のゲーム自体、極めて少ない。

勿論探せばあるんだろうけど、ここまで直球でストーリーやゲームギミックを追求し、その上でプレイヤーに回答を求めるものは、やはり少ないと思う。


そして日本的なだけあって、テーマの方向性はデトロイトとはまるで異なる。

中でも大きな違いは、こういうディストピアものの定番である鬱要素が、本作にはほとんどないこと。

これには少し驚いたんだけど、本作では管理社会を完全な悪として描いてないんだよね。
それも配慮が欠けてそうなったのではなく、意図して。

そういった日本的なところも踏まえて、良くも悪くもちゃんと日本版デトロイトしてたと思います。

欲をいえば、逆張りをするならあえて感はほしかったとは思いました。






システムやグラフィックの完成度は総じて高かった。

ゲーム的なジャンルは、最近はADVでも流行りの横スクロール系。

ドット絵の完成度は非常に高いし、後半になって操作性が変化するのも面白かった。


一方でこの手のゲームにはありがちな欠点があって、それは参照したゲームが古いと、出力されたゲームシステムも古くなりがちになることだ。

例えばアンリアルライフは影響を受けた作品に古いフリーゲームをいくつか挙げてるが、プレイした人の中には「良作だけど探索は面倒だった」と感じた人も一定数いた。


その点本作の作者は、恐らく最近のフリーゲームもプレイしてて、上記のような欠点はほぼ解消されてる。

実際本作には「この手のゲームに漠然とあった不満が見事に解消されてる」的なプレイ感覚がありました。

そのためプレイヤーによっては本作を相当高く評価する人も少なくないと思う。
恐らくADVプレイ歴が浅い人ほどそう感じやすいと思います。






B 75点