ノルテクス レビュー感想

プレイ

https://freegame-mugen.jp/adventure/game_13724.html

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レビュー感想



主人公の苗広が目を覚ますと、あと7日で消滅する渦と呼ばれる世界に迷い込んでいた。
彼はその世界を駆け回り、結び子の力で人や場所を再び結びつける。

高難易度スローライフホラーが幕を開ける。






やっと終わった……
プレイし始めた時は、まさかここまで長丁場になるとは思わなかった。

ゲーム紹介文に10時間と書かれてたからそのつもりではいたけど、それ以上。
正確な時間は分からないけど、恐らく最終的には20時間はこのゲームをプレイしたと思う。

単純にボリュームがあるのもそうだけど、今回は高難易度ゆえに時間を吸われた。
特にトゥルーを目指すとなると時間管理が相当シビアで、今回はセーブ&ロードも多用した。






一方でプレイ時間もさることながら、本作の特筆すべき点は、ゲームとしての完成度の高さ。

まずゲームシステムが完成されてる。
特に探索の導線が上手く設計されてて、前半と後半でゲーム性が変化するのが見事。
具体的には前半はステージの踏破がメインで、後半からスローライフが始まる感じだ。
面倒になりがちな時間経過で減少していくステータスの管理も、全然苦にならなかった。

加えてグラフィックも良かった。
不思議な空間と一口に言っても色々あるけど、本作の方向性は裏世界。
現実を変な風に読み込んだような世界の探索は、純粋にわくわくさせられた。
光や空気のエフェクトが多用された美しい2D表現も、個人的な好みだった。

音の使い方も非常に巧み。
本作にはBGMがほぼなく環境音がメインなんだけど、それによってこの世界への没入感が格段に高まった。
効果音のカチッという無機質な音色も、世界観に合ってるしシンプルに心地良い。






一方でこのゲームには明確に残念だった点が大きく2つある。

一つは主人公の性格に難があること。
明確な悪人ではないんだけど、ここまで主人公と乖離することも中々ないと思えるくらい受け付けなかった。
一応ラスボス戦でその伏線回収はあったけど、短編ならともかく長編でやることではないと個人的には思う。

もう一つはトゥルーまで到達しても、納得できる結末は一つもなかったこと。
タイトル画面のすかしてる感じを見た時から覚悟はしてたけど、まさかここまで突き抜けてくるとは。






評価B 75点

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考察

個人的な考察を少しだけ書くと、本作はインターネットのメタファーと読みました。

具体的には時代と共に個人サイトのコミュニティが失われていく。
そんな中でSNSが登場して、繋がりを重視したコミュニティが作られていく。
しかしSNSのコミュニティは次第に過激になり、まともな人がいなくなっていく。

……というのがこのゲーム全体で語られてたことなんじゃないかと感じました。

そう考えると主人公にも認識できない温室のミュージシャンは、このゲーム唯一の良心なのかも。

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