Story of Memory’s レビュー感想

プレイ
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レビュー感想



今回は旧作レビューというより、昔を振り返る記事になるかもしれない。

何せこのゲームこそ、私が初めてちゃんとプレイしたフリーゲームだからです。



本作が公開されたのはとても古く、2000年代前半。(プレイしたのは大分後)

そこからも察する通り、ゲーム性は現在の親切設計からはとても程遠い。
15年以上経った今でも面白いかは何ともいえないし、当然思い出補正もある。

200X製が好きな人でない限り、積極的にはおすすめできないのが正直なところだ。

それでも当時受けた衝撃でいえば、間違いなくあった。






本作は一本道の長編RPGで、戦闘システムはデフォ戦。
だけど自作戦闘のゲームに引けを取らないどころか、それ以上の面白さを体感できた。

ちなみに200X時代はマップを使った特殊な戦闘システムのことを自作戦闘と呼び、対して普通の戦闘のことをデフォ戦と呼んでた。

当然ながら自作戦闘の方が制作が難しく、それもあってか中にはデフォ戦というだけでそのゲーム自体を毛嫌いするプレイヤーもいた。

だけど当時の私は、面白さは技術だけでは決まらないと子供ながらに思ってました。


本作はそんな考えを証明する、デフォ戦RPGの代表作の一つといっても誇張はない良作です。

それにあくまでデフォ戦を採用してるだけで、Shiftダッシュなどの技術は実装されてる。
むしろ当時でShiftダッシュがあるのは相当親切な部類だ。






本作の面白さはずばり、他の創作ではまず味わえないような独特の空気感だろう。
ストーリーも良いが、それもこの空気感あっての面白さだ。

この感じはノスタルジックとも少し違うし、しいて形容するなら、仄淡い

王道RPGらしく立ち塞がる強敵を次々と倒していくんだけど、なぜか全編通してアツさを一切感じない。

壮絶な場面では「アツいシーンがきた」という認識はあるし、完成度の高さも相まって没入もしてる。
だけど実際の感情の揺れ動きは、ほんの少し緩やかに波立つだけ。

とても不思議なプレイ体験だ。



他に特筆すべき点は、崩壊前と崩壊後が存在すること。

世界観レベルで両方が出てくることはあっても、マップとして明確に両方が存在するゲームは意外と少ない。

ましてここまでの長編RPGの中では、コンシューマーを含めてもほんの一握りでは。



ちなみにこのゲーム、登場人物がなんとAA。
それこそ世代によっては存在すら知らないレベルの化石ものだ。

とはいえ普通のキャラに置き換えても成り立つストーリーなので、特に気にする必要はなさそうです。






A 85点