プレイ
https://www.freem.ne.jp/win/game/29453
実況
https://www.youtube.com/@haoxgame/search?query=スローター
レビュー感想
最近流行りの職業ものだが、今回の仕事は華やかさからは真逆の、魔族食肉加工。題材的には『Lobotomy Corporation』に近いが、作者も紹介文で説明してる通り、ゴア要素は少ない。
更にいえばSLG感もほとんどなくて、どちらかといえば何気ない日々の断片を切り取った日常もの。
特別なことといえば主人公が1週間後に退職を控えてることくらいだ。
率直な感想としては、久々に細かいところまで配慮されてるゲームだと思った。
魔族食に反対の立場の人も出てくるんだけど、善とも悪とも描いてない。
どの主張にも加害と被害の両面があることが素直に描かれてて、一方の立場にわざとらしく悲劇を装わせる感じもほぼなかった。
職場の同僚がみんな主人公に優しいのも、物語の本質をかえって鮮明にさせてる。
中でも良かったのは店長が過激派を水攻めする側として描かれてること。
そういう些細なところでバランスを取るのがこの作者は上手いなと、思わず感心してしまった。
後輩の立ち位置も絶妙に良くて、あくまで日常として描かれてる職場が、リアルに伝わってきた。
個人的に一番良かった結末も後輩エンドだったな。
逆に食肉加工前の魔族4人のルートは、現実感をあまり感じなかったかな。
初めは食料を調達できたり退勤後の行動を選べたりしてわくわくしたけど、結局はノベル的なシステムだって気付いた辺りから、没入感が薄れてしまった。
とはいえ魔族4人のルートの方が好きな人は普通にいそうだ。
どちらが好きかは、それこそプレイヤーの感性次第だろう。
もう一つ惜しいところを挙げると、バッドエンドの結末は冒頭から仄めかしておいた方が良いと思った。
その方が主人公とプレイヤーとの距離もより縮まるし、何よりバッド以外の結末を迎えた時の喜びもその分大きくなる。
とはいえ、台詞回しも個人的には好みで、ファンタジーと割り切ってプレイしても十分面白いです。
このサイトではあまり取り上げない日常ものとしては、かなりの良作でした。
C 65点